ここにある。

2016年夏。乳癌になっちゃったよわたし。

愛情の重み

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2016年9月末

結果が良性ならば、検査をしていたことも
両親には言わないでおこうと思ってた。

とくに母親の方が春頃に持病をこじらせて
ちょっと引きずり気味だったこともあって、
あんまり不安になりそうなことを話す気にならなくて。

でも、悪性って出ちゃったからには
隠しておけないから、打ち明けることにした。



実家へ出かけていったよ。

「実は夏からずっと検査をしていたんだけど、
どうやらわたしの左胸、乳癌に罹っていることがわかったんだよね。」

まで話したところで

母「ヤダー!両胸全摘しちゃいな!(´゚Д゚`)」て。

感情表現のひと声のあとに、
瞬時に導きだされた母なりの結論をプラスしたら
そのぶっ飛んだセリフとなったんですね、
うんうん。わかる。いや、わからない。
せっかくの早期発見で両方全摘するつもりはない。
ちょっと話させて?ちゃんと聞いて?


…もう初めからこんな調子だったから
ある程度予想はしてたけど、、、


「それでね。
入院を希望している病院が市内ではなくて、ちょっと遠…」

「踊り仲間の〇〇さんも乳癌だったんだけど
もう5年も前に手術してね、
今もちゃんと〇〇さん元気にしてるから!」

「うん、それはヨカッタね。
〇〇さんも大変だったね。
それでね、先生に日程を調整してもら…」

「手術はいつ?」

「うん、今言おうと思ってたんだけど、
初診が10月末、手術はじゅ…」

「そーんな薄着してるから!」


…もう始終こんな調子でね。(白目)
スムーズに話が進まない。
父も隣で諌めてくれるんだけどあんまり効果なし。




…取り乱してるんだな、母。
タイミングとか関係なく考えてること喋っちゃうの
元からクセであるんだけど、今日はいつになくヒドい。

でもそうだよな、娘が癌だなんて寝耳に水だったろう。
ビックリさせちゃったよな。
それに母だって病み上がりみたいなもんだった。
そこにこんなおもしろくもない話なんてゴメンよ。

だからせめて…と思って
「でも、早期発見だし 命に関わらないから心配しないでね」
って伝えたら、

「そうか。それはヨカッタ」と
心配そうな顔ではあるものの頷いてくれる父の隣で、
「癌を侮るもんじゃない!気を抜くな」と怒る母。



もう、どれだけ苦労してここまで来たことか。
(さっき説明したんだけどな。)
これから治療だってところでぬかるワケなかろ。
それともナニかい?
わたしもうダメだわ、死ぬんだわ、
おーいおいおいおい(むせび泣き
とかの方がよかったのかな?

…そんなのまっぴらだ!!!!!

とは言わなかったけども。
そんなこんなで話し終えたあとはヘトヘトになってたっけな。




帰る時に持たせてくれた手土産はすごい量だった、いつもの通り。
お米や野菜、お菓子や果物。
お茶っ葉。柔かいティッシュ。毛糸の靴下まで。
一度じゃ運べないくらいのすごい量。

心配も手土産も
両親からの愛情の重み。
ありがとう、ほんとに。
心配かけてゴメンね。


しかしそれから 母はしばらくの間
毎日電話をかけてきて「大丈夫?」って訊く。
「大丈夫だよ」って答えると
「癌を侮るべからず!」と怒る。
というトラップな会話が続いたりして、
一時期母からの電話に出るのがイヤだったこともあったけど、
ほんとうに大丈夫そうであるとわかった今は母もだいぶ落ちついたよ。


お父さんとお母さんより先には
死んだりしないよわたし。