ここにある。

2016年夏。乳癌になっちゃったよわたし。

スキヤキ鍋を囲って

2016年10月入ってすぐ。

お義父さんから電話で
「一緒にスキヤキ食べないかい?」ってお誘いが。

一人暮らししてるお義父さんだから、
なかなかスキヤキを食べる機会がなくて
こうして息子夫婦を誘ってくれることがある。

「肉は買っておくから、野菜を持ってきてよ」
って、いつも上等な肉を準備して待っててくれる。

やはりお義父さんにも報告しておかねばならぬ。
ちょうどいいタイミングで電話くれたな、と思ったけど…

なんかな…

やっぱもっと普通の時に…

いやでも普通の時っていつだよ…




夫と2人で出かけていってさ。
ピンポン押したら出てくるお義父さんは、
すごく嬉しそうに笑ってるよ。
いらっしゃい よく来たね。ってさ。

ダイニングにはスキヤキの準備も整ってるし、
さぁいよいよ楽しい晩餐。みたいな時なのに。

ニコニコしてるお義父さんの顔見たら
とてもわたしから言えない…と思った。
両親には結構普通に話せたんだけど、
なんでだろうな。

聞く方からしてみたら
近親であればあるほどショックも大きいだろうし
こないだはもっともっともっと、
慎重に話すべきだったろうか。。。
とか考えてたっけな。


そんなワケで。
スキヤキ鍋を囲った状態で、夫から話してもらったよ。

「父ちゃん。
今日はちょっと報告があるんだけど…」

「…うん?何だ」

「実はクリコが病気になっちゃったんだ。」

「("⊙Д⊙")…!!…うん。どんな?」

「乳癌」

「("⊙Д⊙")…!!…そうか…」

「これから手術したり治療が必要らしいんだ」

「そうか…
クリコさんが病気だなんてね…
今は普通にしてて大丈夫なの?
痛いとか辛いということはないの?」

ク「うん、大丈夫。
ビックリさせてゴメンね。
でも早期発見だから怖いことはないみたい。」

義父「でも乳癌というのは、
転移も少ない癌だし進行も遅いんだよね。
消化器系の癌ではないから、手術しても食事の制限もないし。
病院はどこなの?市内?」


お義父さん自身が大腸癌を何度かやっていたことがあってさ。
ちゃんと処置すれば治るというのは自分の体で実証済みだし、
どうやら乳癌の知識もいくらかあるみたいで。
落ちついて聞いてくれてありがとう。


そうなんだよ、ほんと心配いらないの。
いい先生に出会えたんだ。

それでも心配かけちゃったことは事実だよね。
ほんとにゴメンね。
でもわたし元気だよ!


そして
「あなたは、僕や、あなたのご両親より長生きせねばならない。
昔は親より先に死んだ子供の葬儀には
親は出席できないという決まりもあったくらい
親より先に死ぬことは親不孝なことだったんだよ」
という話を教えてくれたよ。

うん、大丈夫、大丈夫、
だってわたしだから。
簡単に死にそうにないよ、しぶといから。
心配しないでいいよ。

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そこからは気を取り直して
みんなでスキヤキを食べたんだよね。
おいしかったな~!

お義父さん 誘ってくれてありがとう。