ここにある。

2016年夏。乳癌になっちゃったよわたし。

健康でなくても元気で

「長生きしないよう気をつけ、早死にするまで健康でいたい」
そして同時に
「最悪、健康でなくても元気でいたい」

矛盾してるかもしらんけど。
わたしはそう思う。



ホルモン治療をやめたいがゆえに
治療をやめた人のブログとか、
やめた後の再発率や生存率を調べたりしていて
わたしとても偏った10日間を過ごしていたと思う。

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めまいは許容範囲の日もあれば
許容を超える日もあったよ。
夕方になるとだいたいダメなんだけど。
やっぱり一日の疲れが出るからだろうかね。

仕事がたてこんでちょっと忙しかったのもあって
夜はもうちょっと起きていろんなことしたいのに
目が回っちゃって8時とか9時頃
寝ざるを得なかったりしてさ。クソー

こんなにグダグダでやる気も出ないのは
全部目眩のせい!ではなくて、
半分は不貞腐れていたためだと思う。
なんでかって言ったら
ホルモン治療やめたいのに!
ジョボビッチ先生にやめちゃダメと言われた!と。
不貞腐れておりましたよーだ、チェッ。



5月23日に放射線科の診察だったんだ。

「目が赤いですね」て言われた。

あぁコレはホルモン剤飲み始めたその日から今までずっと治らないです。
こういう細かい副作用は数あれど一番は目眩です。
目眩がしんどくてホルモン治療やめたくなります。
と訴えると、ジョボビッチ先生は言ったよ

「ホルモン治療はやめない方がいい」

治療をしたのとしてないのでは
5年後、10年後の結果に大きな差があります。
はっきりエビデンスが出ている、て。

そしてジョボビッチ先生はこうも言う。
「もっと楽しいことをした方がいい」
好きなアーティストのコンサートに行くとか
趣味に没頭するとか、て。
それと、毎日忙しく過ごしている人は
副作用を感じている暇がない。
という。

ナルホドね、気持ちが上向きだとそれだけで元気出て来ちゃいますしね。
好きなアーティストのコンサートね。
そうですね、あはは。

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…ジョボビッチ先生。
この平民がよ?
日々つましく生活してるこの平民がよ?
毎日とは言わずとも毎週末にコンサートなんて行けねぇのよ。
そんな金が暇があったらなぁとは思うけど。

そんでもって趣味に没頭なんて、
毎日そんな優雅な時間もねぇのよ。

それにこう言っちゃ何ですけど
毎日わたしもそれなりに忙しいですよ。
暮らしに追われているワケですよ。
このグダグダな体調で普段の暮らしを送り、
食いっぱぐれないように働く。
それだけで精一杯ですよ。

それに。
もともと多趣味なわたしだけど、
それらは元気だからできるんであって
ホルモン剤飲み始めてから
目眩したり視力がグッと悪くなったりで
手元がよく見えないから、趣味を諦めているんですよ。
下山時に目が回ったら怖くて 登山も諦めているんですよ。
車に乗って実家へ行くのも控えている始末ですよ。

でもジョボビッチ先生には
シマシマニャンコの画像のあとにツラツラ書いたような
正直な気持ちは話さなかった。
反論は不毛だと知っていたから。
だってお医者さんだもん。
患者相手じゃそう言うしかないでしょう。
(なぜニャンコの写真を載せたかというのは、ただ単にカワイイからだ。)


…あのね。
診察から1週間経った今考えれば
アレはほんとうに仕方のないことだったと思うよ。

ジョボビッチ先生は放射線科の先生なのであって
乳癌を直接診てる主治医ではないんだから、
乳腺外科のA先生を差し置いて簡単に
「じゃあやめちゃえば?」とは言わないでしょうよね。

23日、それじゃまた9月に会いましょうと
見送ってくれる先生に
「そうですね 前向きにガンバります」
と笑顔で挨拶して診察室を出てきた。

ジョボビッチ先生はわたしの体のことを思って
快適にすごせるように提案してくれた。
それだけでいい。
それが実践できるかどうかは
わたしの経済状態とかバイオリズムとかタイミングとかの問題だ。


…さて。
じゃまた商店街でもブラブラして帰るか。
なんかおいしいもんでも買って帰れば
ちょっとは機嫌も治るだろう(自分のことよく知ってる)
とボチボチ歩き始めたわたしを、
診察中そばにいた放射線科の看護師さんが
呼び止めた。
「目眩大変ですねぇ」て。

実はわたしもホルモン治療してるんです
と教えてくれた。

おや!そうなんですか!

三十代半ばで乳癌になって
手術も放射線治療もやったし、
今も注射によるホルモン治療もやっているんだってさ。

2年半の注射治療の予定だったのに
終わってみたら5年に延長。
さらにホルモン剤も飲んでいるって。

注射によるホルモン治療は
飲み薬単剤のホルモン治療より副作用が強いと言うよ。
しかも若ければ若いほど、副作用が強く出やすいとも聞くよ。

「大変でしたねぇ。お若いのに。」

やっぱりあらゆる副作用を経験したけど
だいたいどれも落ち着いてきたか、
あるいは 副作用の出ている状態にも
気持ちが慣れたと言っていた。

あ。
体が、ではないのね。
「気持ちが」慣れたってのがミソね。

まぁいっか、という気持ちになるってことなのかね。
それは諦めではないですか?
やりたいことをガマンするということではないですか?
わたしには果たしてそんな時が来るんでしょうか?

↑こういう、そんなこと言われたって知らんがな、みたいなことは
やはりこの看護師さんにもぶつけなかった。

わたしの気持ち、理解できますよ と寄り添ってくれた。
ありがたいことだよ。
知られたくないことだったかもしれないのにね、病気だなんてね。

放射線科に通いつめていた冬の間
毎日顔を合わせてわたしのこと
いろいろサポートしてくれていた看護師さんが、
同じ体験をしてきた人だったんだとわかった貴重な時間だった。
ありがとう。
ジョボビッチ先生も看護師さんも、
わたしのこと励ましてくれて嬉しかった。

でも家に帰ってから不貞寝した。

やめられないってさー!!
やめちゃダメなんだってさー!!
c(`Д´と⌒c)つ彡 ジタバタ

ただそればかりの10日間。


ニャンコブレイク

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カワイイーン カワイイーン


体調不良を起こしてでも、安心できるなら
治療はつづける という人もいれば
わたしのように 根治してるかもしれないのに
体調不良を抱えてまで治療をつづけたくない
という人もおるでしょうね。

再発してしまったらその後の治療はどうなるのか?
独自調査ではあんまりよくわからなかったから、
無治療での再発率や10年後の生存率が
治療した人とどれくらい違うのか
来月の乳腺外科診察では教えてもらってこよーと。

それまであと1ヶ月。
それまでに副作用が治まっちゃえば
なーにも問題はないんだけどねー!
あーあ!c(`Д´と⌒c)つ彡 ジタバタ