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ここにある。

2016年夏。乳癌になっちゃったよわたし。

手術当日(3)夢うつつ

2016年11月28日 手術当日のつづき!

術後数時間。

気づけば陽も傾きはじめてた。
家で留守番してるニャンコたちが心配だから
夫には家に帰ってもらったよ。

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看護師さんが来て「何か飲みます?」て。
お茶を飲みたいんですけど、
いかんせんマグカップが小さくて…と伝えたら、
700 mlくらい入りそうな病院で貸してる容器にお茶をいれてきてくれたよ。
朝から水関係は飲んでないんでとても美味しかった。

まだ手術着だったから、
点滴がついたままの着替えを看護師さんが手伝ってくれた。
この時初めて術後のおっぱいの全貌をみた。

乳輪横が真っ青になってる。
どこぞのなんとか星人の血みたいに青い。
癌のあった場所はガーゼとテープで覆われてる。
でも、肉がだいぶ減ってるのがわかる。 この時の感覚としては
「あ、おっぱい3分の1くらい なくなっちゃったんだな」
という感じだった。
乳房温存手術と言っても、結構そげてしまうもんだな、と。
まぁ、癌だけクリッと小さく取るわけではなくて、
細胞レベルで癌の取り残しをしないために
充分なマージンをつけるからであって。


…順を追って書きたかったんだけど、
温存手術にしようか、全摘にしようか迷っている人が
もしもこのサイトにたどり着いた時、
そんなになるなら温存やめて全摘するわ!と決めちゃうような、
誤解があったら困るんで先に書いちゃうとね。

わたしの癌は、エコーで見たら1cm未満のしこりでした。
もうひとつ並んであったものは5mm以下だと思う。

手術直後は乳房の3分の1くらいが
なくなったような感じに思えた。

術後1週間後に見てみたら、
あ、3分の1は大袈裟だったかも。
4分の1がなくなったくらいか。と思った。
この時、まだほっぺたをすぼませたみたいな形になっていた。

2週間後にはすぼまっていたところもだいぶ馴染んで、
外側が平らになれてきた。

3週間後には 平らは平らだけど、もう少し自然な平らに。
徐々に馴染んできてる。

4週間後には、外側の丸みが
若干なくなったのかな、くらいで
真正面からパッと見ただけでは、
ほとんどの人は気づかないレベルくらいになってた。

人間の形って、元に戻ろうとするのかな。
よくわかんないけど。
なくなったところ、切りとられて凹んだままってことはないみたい。
ちゃんと肉が浮いてくる。
ちゃんと馴染むんだな。

…というコト↑だけは
時系列を無視して先に書いちゃおうと思います。


夫が言ってた。
術後 A先生が夫に 切除したものを見せてくれたよ、と。
どんなだったか訊くと、
ザクロのような…筋子のような…と言ってた。
結構大きいと思った、そうな。

ザクロや筋子だなんて。
プリッと新鮮でおいしそう、ということでいいのかな?
わたしも実物見たかった。


ちょっと脱線しちゃったけど、
手術着から通常の病院着への着替えが終わると、看護師さんが言う。
「トイレに行ってみますか?
術後4時間は経っているんで歩行可能です。」

体を起こしてみたけどダメだった。
吐き気がしちゃって。
もう1度試して見たけど、やっぱり気のせいではなかった。
麻酔の副作用だってさ。

「今 頑張って起きた方が
吐き気も治りやすいですか?」

「いいえ、ムリはせず安静にしていた方がいいです。」

じゃ もう少し休んでおこうかな。
トイレだってそんなに行きたいワケではない。

もう、このあたりの時間経過がよく思い出せないんだよね。
やっぱり麻酔のせいで朦朧としてたのかも。
よく効いちゃったんだな。

次に看護師さんが来てくれたとき
トイレまでの歩行再挑戦。
体を起こしたら、吐き気もだいぶ落ち着いてたよ。
点滴をひきひきトイレへ。

「あ~ まだちょっと気持ち悪いかも…
歩けないほどではないけど」
と言うと看護師さんはこたえる。
「1度吐いてしまえば楽になると思いますけどね。」
なんか刑事の取り調べみたいなセリフですね。
まだ続いていたのかなベタドラマ
カツ丼が食べたいですわたし。

吐けばスッキリしちゃうのかもだけど、
昨日の晩から何も食べてないのに
吐くものなんかないし。
それでも吐こうとえづいたら傷口痛そう。
吐くのはやめた。

とにかくトイレへ。
…ビックリした。
用を足して振り向いたら、置いてないハズなのに、
ブルーレットおくだけ みたいな色の水が溜まってた。
わたし、真っ青なチッコが出たらしい。
ドン引き。

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私が受けた手術ね、
乳房部分切所と、センチネルリンパ節生検です。

センチネルリンパ節生検というのは、
癌細胞がリンパ腺に転位していないか、
乳管に青い色素を入れて簡易的な検査をするというもの。
簡易的と言っても、脇のところ、ちょっと切るんだけどさ。

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癌細胞はその色素に反応して染まる。
染まらなければ転移なし。
というね。
わたしは転移はしていなかった模様。
本当によかった。

その、おっぱいの先っちょから入れた色素が
時間を掛けて体の中を通り抜け、
チッコとなり、今まさに体外に出されたというワケだね。
ブルーレット置くだけ みたいになって。
人間の体ってそんな単純なものなのかと衝撃を受けたよ。

とにかく歩くことはできた。
もう次のトイレはひとりで大丈夫。
お茶も飲めてる。
点滴を外すことになったよ。
でもまた明日、抗生剤を入れるから針は刺しっぱなし。

そして、この日の夕飯も抜き…。
ナンデ。
お茶飲めたし。
歩けたし。
お腹すいてるし。
カツ丼食べたい。
ドシテ。

でもなんかやっぱりそれが決まりらしくて
完全に丸1日は絶食だってさ。チェッ


夜。
A先生が様子を見にきてくれた。
「どうですか?」

どうもこうもないです、サッパリしました!
さっきまで吐き気してたけどよくなりました。

傷の痛みはどうですか?
喉の痛みはどうですか?

そういえば 喉、今はあんまり痛くないです。
胸の痛みは…
傷口は何もしてなければ痛くないんですけど、
動くとちょっぴり痛いかな。
でも、青くなってるところが痛いです。
乳輪とその周辺。

痛み止めが必要ですか?

薬を飲むほどではないです。

先生は帰っていった。
どこに帰ったんだろう?
家じゃなさそうだな。
まだお仕事がいろいろありそうな雰囲気だった。
忙しそう。
だのにチョイチョイ様子を見にきてくれてありがとございます。

その日はまたそのまま眠った。
今度は朝になるまで眠った。
起きてるとお腹すいてきちゃうから
眠れた方がありがたかったんだけどね。


後から知ったんだけど、
センチネルリンパ節生検のための色素注入は、
他の病院だと全身麻酔をやる前の意識があるうちに
局所麻酔で事前に入れとくのが主流みたいね。
でも、それって 麻酔してても結構痛いんだとか。
でもわたしの場合、全身麻酔ですっかり眠っちゃってからやってくれたんで、
余計な痛みを感じることもなかったんだよね。

そして術後にはすぐに、
痛み止めの座薬を入れてくれたという。

ヤダ照れる(*ノдノ)
パンツはおろしてから入れたんでしょうか?
それとも脇から差し込んだんでしょうか?
そして一体誰が?

そんな疑問はあったけれど、
痛いこと、恥ずかしいことは
全部麻酔が効いてるうちにやってくれた
というせっかくの優しさを受け止めるために
訊くことはしなかったよ。


この日のこと、今思い出しても
どうもハッキリしなかったり
時間の経過が一番よくわからないんだけど、
おぼろげで、フワフワしてて、夢うつつ。
それでも身の回りのことで困ることは何もなく。
看護師さんの優しさがほんとうに嬉しかった。

世の中こんなにハードに働いておきながら
お仕事とはいえ 他人にもこんなに優しくできるって
忙しいとついイライラしてくるわたしだから、
深々と頭が下がる思いだったよ。

お医者さんてスゴイな。
看護師さんてスゴイな。