ここにある。

2016年夏。乳癌になっちゃったよわたし。

放射線準備のCT→放射線室へ

2017年1月6日

昼過ぎから放射線治療準備のためのCTを撮る予定。

今日はラッシュ時間帯ではないから、
ずっと電車も座ってゆける。

昨日の電車遅延というアクシデントで
相当ヤキモキしたし遅刻もしたから
大人なわたしは今日はだいぶ早い時間に家を出たよ。

早く家を出ておいてヨカッタ。
なぜなら薬の副作用でうっすらあった吐き気が
電車に乗ったら強くなっちゃってさ。
最後のひと駅がガマンできるか
自信なくて念のため電車降りた。
結局は吐いたりはしなかったけど。

そして時間に余裕を持って出かけたんで
遅刻もなく予約時間内についたんだけど、
まぁ病院だから。
予約で行っても1時間半待ちでね。
あんなに早く家を出た意味あったかな?
と思ったり思わなかったりもしたけど
いーよいーよ しょうがないよ
いろいろあんでしょそちらさんも。

やっとこ呼ばれて撮影室へ。


CTは初めて受けるんでよくわからないけど、
きっと髪がジャマになったりするだろうと
気を利かせたつもりのわたし。
速やかなCT撮影のためにと
年甲斐もなくポニーテールで出かけて
少女のように頬を染めていたのだけど(頬紅で、
撮影室入ってすぐに技師さんから

「髪を結っていると
頭が斜めになって位置がズレてしまうので
放射線をかける時と条件を同じにしたいため
髪はほどいてください」と。

あ、さようでございますか。
ムダな気を回してしまったな。チッ
ポニーテールをほどいた中年は
落ち武者とさほど変わらない見た目だよ。
無残。
そして無念でござる。


下はズボン履いててよいので
上は検査着だけにしてくださいて。

CTのベッドに横になって、
検査着の紐をといて前を開け半裸になるよ。
切腹っぽくなって参りました。

そして促されるがままに両腕を頭の上で輪にするよ。
友達の輪!みたいにね。(古い
それがさ。
友達の輪!する専用の枕みたいのがあるんだよ。
それに頭と腕を乗せてね。
動かないように固定するわけだね。
寝ながら友達の輪!する落ち武者。
もう怖いものなんかござらん。

すると女性の技師さんが
おっぱいの上にタオルを置いてくれた。
お心遣い。

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…この記事を書いている現在は
この処置を受けてから10日しか経ってないのに、
手順とか、朧気にしか覚えてない。
なんなんだこの、最近の記憶力の悪さは。

そして注意力散漫。
もともとウッカリしてるけどますますだよ。
お茶を持っていこうとボトルにお茶をつめて、
そのままそこに置いて
いってきまーすと家を出てくる、ということを
実は二日間連続でやらかした。

ほんとにほんとに気をつけないと、
財布なくしたーとか、
携帯置き忘れたーとか、
そういうやっかいなことをやりかねない。
気をひきしめねばね。


脱線してしまったけど、
朧気に思い出せることを書くと
CTの機械に入ったんだよ。
風がふわ~っとふいてて、ちょっと寒かった。

出てきたら、技師さんが2人で
みぞおちと、その両脇と、左胸の横に
油性マジックで十字の印を書いている。
なんか、すごい絶妙な調整をしなくてはならないみたいで、
何度もわたしの腰をつかんでは左右にちょっぴりずつずらし、
1ミリなんとか、2ミリなんとか、
はい、あってます、とかやっていたよ。

放射線が胸以外の余計なところ
(肺とか心臓とか)に当たらないように
ミリ単位で微調整しているんだね。
大体でやってくわけじゃないんだな。
スゴイ。

その後もう1度筒の中に半身だけ入って、
放射線治療の準備のためのCT撮影は終わった。


その足で放射線室へ案内してくれたよ。

ラグジュアリーなソファがいくつか置いてあって、
それがこう言っちゃアレだけど
「癌になった人専用」て感じがしてヨカッタ。
労ってくれてるようで。
もう背もたれに背をもたせたら
二秒で眠れそうなくらいに深いソファ。
薄暗くて落ち着いてて
ちょっとここに住みたいな、
と思っちゃうような感じのところ。


何人かがそこで順番を待っている。
この人たちも「癌です」と宣告を受けて
家族や友人に打ち明け驚かれて心配されて
手術受けたり受けなかったりで
ここまでたどり着いているのでしょうよ。

20代から90代まで
今患者さんはいらっしゃいますと説明された。
ぜーんぜん知らない人たち。
でも同じような道を歩んできたろう人たち。
親近感湧いちゃうな。

少しお待ちくださいね、と残された時、

この薄暗く落ち着いた部屋が
黄泉の国への入口だって言われたら
そうかもねって納得しちゃうかも。と思ったよ。
放射線の機械でなしに、
奥には閻魔様がいるのかもしれないね。
みんな呼ばれるのを待ってる。
わたしも今それを待ってる。

…なんでそんなこと思ったんだろ。
生きるための治療に来ているのに。
まわりの人たちも。
失礼しちゃうよね。
ゴメンなさいね。

眠気も強かったしちょっと吐き気もあったりして
フワフワしてたんだなわたし。
そこへ非日常的な所へ来たから
そういうことを思ってしまったんだね。

その閻魔の手前のソファに沈んで待っていると、
キレイな放射線科の看護師さんがやってきて
今後の治療日程を調整しましょうと。

希望を伝えた。
家が遠いんです。
行き帰りの電車のラッシュ時間帯を避けるために
午前中ではない方がいいです。
夕方でもない方が。
午後の早い時間帯が希望だと伝えたら、
全部大丈夫だということで希望を通してもらえた。
あ~助かったよ。
あんまり寒い時間帯に家をあけるのも
ニャンコたちが心配だから。

そのあと、顔写真を撮影。
患者さんを間違えて
違うところに放射線当てちゃマズいんで
確認用に顔写真も活用するんだって。
徹底しておりますな。

さっきポニーテールに結い直しておいてよかった。
世には出ない本人確認のためだけの写真だけど
落ち武者よりマシだったろうから。


この日もお気に入りの亀に挨拶をして
病院のシャトルバスで帰ったのでした。

シャトルバス便利。